出典:備前屋公式ページ
まるでお豆腐のような雰囲気のこのお菓子。
和製のマシュマロのようなお菓子なのですよ。
初めての味わい、初めての食感。
愛知県の老舗、「備前屋」の、不思議なお菓子をご紹介いたします。
見出し
備前屋は創業天明2年のお店
出典:備前屋公式ページ
創業天明2年。
そう言われても、ピンとこないほどの大昔。(笑)
初代備前屋藤右衛門が岡崎宿伝馬町に菓子舗を構えたのが、1782年です。
明治初年に銘菓「あわ雪」が誕生。
それ以来の人気商品ですよ。
あわ雪の特徴
出典:備前屋公式ページ
江戸時代に、岡崎宿の茶屋「あわ雪茶屋」で出された「あわ雪豆腐」は、東海道名物として、旅行く人々に有名だったと言います。
時が経ち、人気が薄れて、さびれていく様を「備前屋」の三代目藤右衛門が惜しんでその名を菓子に残そうと、開発したのが、「あわ雪」だそうです。
新鮮な卵白を主原料に、精糖を加えて泡立て、寒天で固めたシンプルなモノ。
あわ雪のように優しくて、まろやかで、きめ細かい味わいは、三河地方を代表とする銘菓として、現在も人気のお菓子ですよ。
また、現在「あわ雪豆腐」という名前のお菓子も、「備前屋」で販売されています。
出典:備前屋公式ページ
江戸時代の「あわ雪豆腐」は、丸い豆腐にしょう油とだしを使った「葛あん」をかけていたようです。
「備前屋」で売られている「あわ雪豆腐」は、無調整豆乳を100%使用したもの。
「葛あん」の代わりに「餡ソース」や、「黒糖蜜」をかけて召し上がっていただくようになっているそうです。
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「備前屋」のあわ雪を実食レビュー!
私がいただいたのは、プレーンな白です。
お皿に盛ったところ、どうみてもお豆腐にしか見えませんね。
お醤油を間違ってかけないように、気を付けてください。(笑)
ケーキよりもはるかに大きいので、3つにカットして、三人分くらいはあるでしょうか。
高野豆腐のようにしっかりとした硬さがあります。
切ってみましたが、やはりお豆腐のようです。
主原料は卵白なのですから、その味わいも非常に淡泊です。
口に入れると、噛み応えもあります。
なんとも不思議な味わい。
マシュマロに通じるところがありますが、やっぱり和風ですね。
単調な味だと言うと、そうなのですが、なかなか奥の深いお菓子なのかもしれません。
お好みで、黒ゴマペーストや、黒みつ。
また、練乳やフルーツソースなどをかけると、味が一変するかもしれませんね。
きなこをかけたりしたら、絶対にイケると思いますよ。
あわ雪のように、口で溶けてしまうほど、やわなお菓子ではありません。むしろお腹にどっしりくるタイプ。
小腹が空いたときなどに、お餅感覚でもいただけそうです。
あわ雪には、お抹茶味、桃花味、コーヒー味、チェリーブランデー味があるようです。
粒の甘納豆を練り込んだ、鹿の子もあります。
(純白、茶山、桃花)各一本540円(税込み)
(コーヒー、チェリーブランデー)各一本324円(税込み)
(鹿の子)一本756円(税込み)
あわ雪茶屋
ひと口サイズに切って、チョコレートや、西尾抹茶を練り込んだもの、ダブルベリーソースをかけるものなどのアレンジした「あわ雪」も人気です。
出典:備前屋公式ページ
- チョコレートあわ雪(カカオの香りとほろ苦さがあわ雪のまろやかさにマッチ)
- ダブルベリーあわ雪(キューブ状のあわ雪に添え付けのストロベリーとブルーベリーのソースをかけて食べるタイプ)
- 濃茶あわ雪「西尾抹茶をふんだんに使い、抹茶の豊かな風味が生きたあわ雪です)
各ひと箱(12個入り)756円(税込み)
玉ゆき
出典:備前屋公式ページ
冬の始めや終わり、暖かい頃に降る「玉雪」。
その丸くはかなげな愛らしさをお菓子に表現されています。
十勝産の小豆で練り上げたこし餡を、「あわ雪」でそっと包んであります。
さらりとした口どけのほどよい甘さを楽しめるお菓子ですよ。
ひと箱(9個入り)540円(税込み)
「備前屋」の夏のおすすめ和菓子
水簾(みずすだれ)の滝(長竹葛きりと水羊羹)
出典:備前屋公式ページ
夏のお菓子として召し上がっていただきたいのが、「水簾の滝」です。
涼やかな竹風の筒に入った葛切りと水羊羹。
どちらものど越しの良い和菓子ですよ。
葛切りは、よく冷やした後、添え付けの押し棒で押し出して、切りたての葛きりに黒蜜をかけていただきます。
自分で突いて出来上がるところが、楽しいですね。
まるで「ところ天」のようです。氷を添えて頂くと、夏の厚さも忘れるような涼やかなデザートになります。
同じく、竹風の容器からつるりと取り出していただく、水ようかんもお洒落です。
お客様に出したいおやつですね。
各一袋(2本入り)540円(税込み)
花いちもんめ
出典:備前屋公式ページ
こちらも、夏に食べたい涼やかなゼリー菓子です。
- みつまめ(揺らめく水中花のように涼し気なみつまめには、桃、杏、サクランボの蜜漬けが入っています)
- 抹茶白玉(渓流のような爽やかなイメージの抹茶白玉には、抹茶ゼリーと甘納豆、白玉だんごが入っています)
各一個324円(税込み)
「備前屋」のその他のお菓子
- 非時香菓ときじくのかぐのこのみ(お菓子の祖、田道間守命が不老不死の理想郷で求めて歩いたとされる果物。を表現した、栗、梅、金柑などの入った饅頭)
- 浄瑠璃姫(牛若丸との悲恋の物語に出てくる浄瑠璃姫の名前がついた、華やかな艶干羹)
- 酒カステラ(奥三河の酒米「夢山水」で醸した純米吟醸酒をたっぷり使ったカステラ。きめ細かな口どけで優しい甘さです)
- 駒びき朱印(なめらかなこし餡を羽二重餅で包み、ごまを散らした薄焼きのせんべいではさんだもの)
- 八丁味噌せんべい(岡崎特産の八丁味噌をつかったおせんべい)
八丁味噌は、愛知の特産品ですよね。
それゆえ、八丁味噌を使ったカステラや、松風も、「備前屋」の代表的なお菓子として売られています。
ご注文は、オンラインショップでどうぞ
お店情報
住所:愛知県岡崎市伝馬通2-17
電話:0564-22-0234
営業時間:8:30~21:00(年中無休)
奈良にもある「卵白」を使った究極の和菓子
奈良県宇陀市というローカルな地に、古くから伝わる伝統のお菓子「きみごろも」を販売する松月堂があります。
このお店でしか買えない貴重な和菓子ですよ。
松月堂は、明治時代から続く和菓子屋で、創業90有余年。
お店は伝統的建造物保存地域にあり、万葉の風情を感じるたたずまいになっています。
出典:宇陀市公式ページ
「きみごろも」まるで厚揚げ!?のようにみえるお菓子です。
初めて食べた時、というか・・・・。
初めて見た時、お菓子には到底見えなくて、びっくりでした。
さきほどの「あわ雪」よりも、もっとメレンゲが軽い。
口に入れるとシュワシュワと溶けてしまうようなはかない卵白を、卵黄の膜で覆ったもの。
玉子焼きのように黄色い皮の部分は、卵黄の黄色です。
非常に摩訶不思議な和菓子になっています。
原材料は鶏卵、砂糖、蜂蜜、寒天だけ。
甘い・・・・。シンプルに甘いお菓子です。
美味しいとおっしゃる方は少な目ですが、その希少な味わいと見た目で、インパクトはかなり強めです。
一度食べたら忘れられない味なのかもしれませんね。
お店情報
住所:奈良県宇陀市大宇陀上1988
電話:0745-83-0114
営業時間:8:00~18:00(水曜定休日)
楽天ショップでも買えます。
まとめ
まるでお豆腐のようにも見える、不思議な卵白のお菓子、「備前屋」のあわ雪をご紹介いたしました。
食感は、和風のマシュマロのよう。
しっかりとした食感と、淡泊な味わい。
淡泊だから、アレンジも可能で、あれこれ違った味わいに変化するようです。
奈良にも、おなじように卵白を使用した不思議なお菓子「きみごろも」があります。
ちょっと珍しい卵白のお菓子。
一度召し上がっていただきたいお品です。